2013年9月9日月曜日

「病識は無いけれど、病感がある」という記載


自分の場合、カルテに「病識」と「病感」を使い分けて記載している。
この違いについて、スタッフなどから、突っ込まれたことがないのだが、分かってもらえているのか、スルーされているのか。はたまた、そんなところなんて読まれていないのか……

「病感」は、自分が精神疾患かどうか理解していないが、自分自身で感じている不調とか、簡単な指摘で認めることができる不調みたいな、患者さん自身の感覚、という意味合いで記載。

「病識」は、患者さんにある程度疾患の説明をした状況で、現在感じている不調が病気や障害による症状である理解、という意味合いで記載している。

だから、「病識は不十分であるが、ある程度病感はあると思われる」なんて記載をしたりする。


「病識」や「病感」は、同じ患者さんでも、病気の状態によって変わってくる。
急性期になると、「病識」は吹っ飛んで、「病感」すら曖昧になることも珍しくない。

一方、「病感」は十分にあっても、「病識」にはなかなか至らない場合もある。こういうケースは、疾患をどれくらい受け入れることができるか、そこがポイントになる印象。



worried 心配しているな / jessleecuizon




「病感」と「病識」という観点から、治療での患者さんへのアプローチを説明すると、こういう流れになるか。

初発の患者さんの場合、多くの場合、「病識」はもちろん、「病感」すら曖昧である。

そこで、身体的に感じたり、気分として感じる「不調」を言葉にしてもらったり、行動の問題点を指摘して、共有していく。
そのやり取りの中で、自身の「不調」を「病感」として分かってもらえることが多い。

さらに、一緒に「病感」について考えていく中で、”「病感」が病気の症状であること”にまで、考え方を広げていく。

その段階になって、病気の説明をしていくことで、患者さんの「病識」を作り上げている。

おおまかに言って、こんな感じ。

患者さんと共に、「病識」や「病感」について認識を深めていく過程は、精神科治療の醍醐味の一つじゃないかと思うくらい、やりがいのある作業だと思っている。


Conversation / Search Engine People Blog



ところで、自分の周囲の治療者は、このあたりの言葉の使い方が、どうにも曖昧だったような気がする。
というわけで、この内容は、”あくまでも個人の使い方です”的なところがあるので、悪しからず