2012年9月3日月曜日

精神科医に働く”見えざる手”

下のリンクは、精神科医の”いちは”先生のブログ。

とりあえず俺と踊ろう: 『暴れる精神障害患者に鎮静剤投与は違法』 まず警察へ!!:

'via Blog this'


この内容とは、直接的には関係無いけれど、以前から気になっていることが一つ。




例え精神疾患の患者さんであっても、他の施設とか、(特に非精神科)医師が鎮静をかけた状態では、病院に搬送されても、本人の意思確認とか症状の判断ができないので、入院をさせられない。
というのが、自分の認識なんだけど、違ったかな……

特に、非精神科の医療職が、このことを分かってくれないことが多くて、電話口の対応でトラブルになったこともしばしば。



いろいろな人から聞いた話になるけれど、
地域によっては、何故か措置入院に対するハードルを高くしたり、とにかく対応に困った人は精神科に何とか入院させようとする、”見えざる手”というのも、存在するらしい。
しかも、この”見えざる手”は、診療の場や精神科医に強力に働きかけてくる一方で、絶対に責任をとってくれない。
だから、本当に厄介で困る。



精神科の入院には、大きな前提がある。
”精神保健福祉法に基づいて、患者さんに対する人権的な配慮の中で、精神科の入院は決まっていく”ということ。
このことは、一般的な(?)医療職ですら、きちんと理解できていないことが多い。


精神保健福祉法に基づく、措置入院、医療保護入院というのは、国家試験にも出てくるから、知識として覚えている医療者は少なくない。

ただ、試験のための知識レベルだから、
医療保護入院の場合、(患者)本人の同意がなくても、1名の精神保健指定医の診察により、保護者の同意により入院させることができる」
程度の知識であったり、場合によっては、強調フォントの部分しか覚えてなかったり……
(まぁ、まだ覚えているだけマシという、哀しい現実も)




Study hard / bartosz.maciejewski




精神科での入院の知識を、現実的に運用できる形で理解している人は少ない。
それが、実際の医療現場で、話がうまく進まない原因の一つになっている。

つまり、知識があっても理解していない人が多いという事実が、”見えざる手”を構成するパーツの一つになっている。


実際に運用されるところ、つまり精神科外来での入院場面に出会わないと、このあたりは理解はできないんだろうね。

うん、それは認める。実践を伴わない知識は、上手く利用できないものだ。

昔のように、実習の時しか精神科の医療現場を見たことがない医師なら、なおさらそうだと思う。


で、今の初期研修制度になって、このあたりは少しは改善されたんだろうか?
ちょっと、気になってきた。






追記:
医療保護入院の制度については、近々変更される可能性が高い。
そうなった時に、入院へのアプローチも変わってくるはず。
さて、どうなることやら